MAXI SINGLE『沈黙の花言葉』

沈黙の花言葉

沈黙の花言葉 / スムルース
(ちんもくのはなことば / すむるーす)
2005年4月27日発売
MAXI SINGLE / KICM-1131 [KING RECORDS] / 税込1,000円
キャラクターデザイン:徳田憲治

沈黙の花言葉 収録曲(全2曲)

  1. 沈黙の花言葉
  2. 愛で二度死ね

作詞&作曲:徳田憲治
編曲:スムルース&石田ショーキチ

からからと泣き笑い。さらさらと詠み唄う。骨だけのカラ傘をさすような刹那とイナセ、日本人だけが持ち得る歌心。
そこまでやっておきながら最後は「おもろきゃええやん」で一笑に伏す豪快さ、余計に涙が止まらなくなる。

明日が必ずあるわけじゃない、分かっているからこそ奏でる希望、
そのエネルギーの計り知れなさ。だからスムルースは物凄い。

彼らこそ、僕たちのDNAがずっと求めていたロックンロールの姿じゃないですか。

Text By 石田ショーキチ

新たな幕開けに鳴る、4つでひとつの鼓動感

2005年、スムルースの第1弾リリースはマキシシングル『沈黙の花言葉』。発売される頃は、おそらく桜の季節も終わり。どこか名残惜しくもあり、しかし新たな緑たちが力強さを湛えていく−−そんな、うつろいの物悲しさとはじまりの高鳴りとが同居する頃合だろう。『沈黙の花言葉』という曲には、まるでこの桜の最後のひとひらまでを大事に見守るせつながある。そこには諦めもあれば、我が身を奮わせるように加速するエネルギーもある。微妙な揺らぎによる感情のひだは、メロディーサウンドへと刻々と映された。

シンプルだが色彩を感じるポップネスに溢れ、印象的に配されたストリングス・アレンジが、日常の一部をドラマへと変える。とくれば、前作『冬色ガール』の延長上ともいえる。でも今回ちがう点は、「曲に対して4人でなにが出来るか」から「四人の音によって曲をどう描けるか」へとシフトしたことだ。

「まずバンドありきっていうスタイルが、そのまま音になったと思う」。ソングライターの徳田憲治はそう語る。「考えるより“感じる”。グルーヴ重視、バンド感重視のレコーディングだった」。

無骨な骨太さで、剥き出しのぶつかり合いだからこそまた、サウンドに陰影が生まれメロディと深くこだまする。4人が共鳴することで優しくも強く、ヒリつきながらもあたたかな音が放たれた『沈黙の花言葉』。きらめき感を引き出すことに一役買ったのがプロデュースを手掛けた石田ショーキチである。

「聴いていいなって思う音が、石田さんの手掛けた作品なことが多くて、僕自身はずっと片想いをしていたんですよね」という徳田の思いも実ってのタッグ。そして、これまでの明るさから一歩踏み込んで、自分たちの体温をダイレクトに伝えようとするスムルース新章の強力なパートナーとなった。現場のボルテージの高さは、迸る汗の一滴まで(のみ?)パッケージしたカップリング曲『愛で二度死ね』でも確認して欲しい。アルバムへ繋がるシングルとしては、一見、振り切れた2曲だが、彼らの心音はよりリアルで鮮やかだ。

もっと深く届けたい。その思いが、彼ら自身を丸裸にし、彼ら独自のバンド感/グルーヴ感として鳴り響いている。

Text By 吉羽さおり

スムルースはいい加減?!だけどそこがイイ加減♪憂いも喜びもサジ加減ひとつで展開するスムルースの絶妙の味加減はやっぱりどうしていい感じっ!

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、少し明りて、紫だちたる雲の、細くたなびきたる。−−そんな枕草子の一文が浮かんでくるような、暖かく穏やかなメロディーで綴られるスムルースの新曲『沈黙の花言葉』。
春という季節には2つの面がある。木々が芽吹き、外は彩りも鮮やかに、卒業に新学期、出発や旅立ちを促すポジティブ感たっぷりの空気が漲る反面、枕草子の第一段落の有名な一説に描かれるような、白々と夜から朝へと明けていく中で見える陰鬱ながらも神秘的な空気感。今回の『沈黙の花言葉』はどちらかというと後者。春特有の、何かが足りない感覚、ほんのりとした気だるさが漂う。

「重要なのは今回の曲は、ポジティブな部分が欠落していることです。今、僕らが向かっているテーマは孤独感。そのテーマへの最初の1枚ということ。僕にとっての孤独感は、エゴイズムやナルシズムにも通じるんですが、そんな孤独感を綴った詩です」(徳田憲治)

そして対照的にカップリングの『愛で二度死ね』は、仲間だけで「ウワァ〜!」と騒いでライブしちゃったゼ!と言わんばかりのエモーショナルな歌。孤独感よりも「楽しんでしまえ!」というエゴイズムの方なのか!?
それはさておき。どちらの曲も非常にシンプルに4人の音が躍動しているのを感じる。
「今まで、ライブと音源のスムルースを敢えて別で考えてたんですけど、このシングルはライブでの4人を感じられると思います。今回はスムルースの“いい加減にイイ加減”な面を出せました(笑)」(徳田憲治)
春という季節の持つ2つの面。旅立ちや出発の時に感じるワクワクする感覚と、神秘的なモノに心を揺さぶられるような、憂いを帯びた感覚。そのどちらの面もパックした1枚を作り上げた彼らがこの先、どんな音を鳴らして自らが掲げる“孤独感”を表現していくのか。このシングルで春の“孤独感”を感じながら待ちたい。

Text By えびさわなち

スムルース LIVE TOUR 2005 あなたクイズ〜出口は入口〜